青い星を君に捧げる【弐】
「__ハジメ様!!」

その場に花が咲いたような笑顔が俺に向けられる。全てを投げ打ってでも守りたいとそう思っていた女だった。


それなのにお前は腹に宿る子を選んだ。俺を孤独にする選択をしたのだ。


『……この子を必ず守ってあげてください。この子は私たちの子供ですから。愛してあげてください、私にそうしてくれたように』


キラキラと輝くあいつと同じ瞳に髪。まるで生き写しのようだ。


お前の命を奪っていったこいつが憎い。殺してしまおう。


__そう思ったのに手をかけられないのはどうしてだろうか。


また明日でいいか、と赤ん坊の首にかけた手を止めた。



これは本郷一とアイラ・キャベンディッシュそして本郷リリィの不器用な愛で繋がった家族の物語。
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