青い星を君に捧げる【弐】
「反逆者は殺せ。感情などいらない」


「「「「はっ!!!」」」」

一々報告を聞くのに飽き、結局会議は俺のこの一言で終わり迎えた。


宴会会場へ移動するべく立ち上がればその場にいる全員が頭を垂れる。面白くない者たちだ。


𓂃◌𓈒𓐍

宴会会場はアルコールのにおいに包まれ、盛り上がりが増していく。上座でその様子を眺めていた。


「一様、そろそろ踊り子たちの演舞が始まるようですよ」


隣に控えていた流水が俺のグラスに酒を継ぎ足しながら言う。景色と化した宴会会場を再び捉えると大扉から確かに女たちが入ってきている。


色とりどりの鮮やかな異国情緒溢れるベリーダンスの衣装に身を包んだ女たちは半透明の布を使って軽やかに舞う。

全員日本人ではないのか外国人のような顔つきの上、整った顔立ちで会場に感嘆の声があがる。


その中でも一際目立つ女がいた。


真ん中で踊る彼女は自分の美しさを最大限に引き出す方法を知っていて、視線、指先まで気を配っている。

肌は雪のように白く、波打つハニーブロンドの長髪そして青空を閉じ込めたような輝く瞳。


絶世の美女、傾国の花とはまさにあの女のための言葉だった。
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