青い星を君に捧げる【弐】
彼女まで届かせるために発した声は耳を澄ませていた大黒天幹部連中にも聞こえ、どよめきが走る。


俺が何かに、誰かに明らかな関心を向けたのは初めただから。


これ以上この場にいる必要はあるまいと立ち上がると、アイラが俺を呼び止めた。


「あの!!どうして私なんかを、助けてくれたのですか」


ふむ?と顎に手を当てて考える。


「俺の瞳が綺麗だと言ってくれた女だからだ。……それから」


一度返した踵を戻し、彼女と迎え合った。周りにいる連中が興味深く俺たちのことを見つめている。


「お前の眼のほうが澄んでいて綺麗だ」


呆然と座り込んでいるアイラを流水に頼み、俺は宴会会場を出た。いつになく良い気分だった。


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大黒天での会議の事後処理に終われ、宴会が執り行われた日から早2日が経過した昼過ぎのこと。


休むことの許されない俺の手は流水の一言によって静止した。


「今なんて言った」


「ですから、アイラ様を買い取ることは出来ましたが、彼女のことを良く思わなかった女中によって怪我を……」


「俺は丁重にもてなせと命じたはずだ。あいつはどこにいる」
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