青い星を君に捧げる【弐】
ドタドタと本邸屋敷内に足音が響く。何事かと持ち場を離れて来た者たちは俺の表情を見てはすぐさま頭を下げる。
____スパンッ
立派な障子扉を勢いに任せてスライドさせると、部屋には女中の手当を丁度受けていたアイラがいた。
「と、当主様?!」
俺の姿を捉えた女中は治療を止めて、三つ指をついて挨拶する。
「ハジメ様……?」
座っているアイラの白かったはずの頬は不自然に赤く腫れていて、更に視線を下ろすと足首にも湿布が貼ってある。
「流水、雅を百合の宮に連れて来い」
「承知しました」
「……アイラ、怪我は痛むか」
流水と女中が退出したのを確認してから、彼女の前に片膝をついて赤く腫れてしまった頬に触れた。
「これくらい平気です!!この屋敷で美味しいご飯が食べれて、暖かい布団で寝れて、私は幸せです」
「……」
「ハジメ様こそ、またお眠りになられていないんじゃないでしょうか」
僅かに隈が、と彼女は自らの目下を指して言う。眉を下げるアイラをただ見つめていた。
「お前には別の部屋を用意する。掴まれ」
「えっ、きゃっ!!」
足を負傷しているアイラに配慮し、彼女の背と膝裏に腕を回して抱き上げる。突然視界が変化したためアイラはぎゅうと俺の首にしがみついた。
____スパンッ
立派な障子扉を勢いに任せてスライドさせると、部屋には女中の手当を丁度受けていたアイラがいた。
「と、当主様?!」
俺の姿を捉えた女中は治療を止めて、三つ指をついて挨拶する。
「ハジメ様……?」
座っているアイラの白かったはずの頬は不自然に赤く腫れていて、更に視線を下ろすと足首にも湿布が貼ってある。
「流水、雅を百合の宮に連れて来い」
「承知しました」
「……アイラ、怪我は痛むか」
流水と女中が退出したのを確認してから、彼女の前に片膝をついて赤く腫れてしまった頬に触れた。
「これくらい平気です!!この屋敷で美味しいご飯が食べれて、暖かい布団で寝れて、私は幸せです」
「……」
「ハジメ様こそ、またお眠りになられていないんじゃないでしょうか」
僅かに隈が、と彼女は自らの目下を指して言う。眉を下げるアイラをただ見つめていた。
「お前には別の部屋を用意する。掴まれ」
「えっ、きゃっ!!」
足を負傷しているアイラに配慮し、彼女の背と膝裏に腕を回して抱き上げる。突然視界が変化したためアイラはぎゅうと俺の首にしがみついた。