青い星を君に捧げる【弐】
女中によって用意されていた下駄を履き本郷家内の敷地を歩く。太陽光が反射して池が眩しい。
「ハジメ様、その……浴衣がはだけていて」
視線を下へとずらせば耳まですっかり赤く染ったアイラが目を右往左往させていた。
ああ、そういうことか。
普段から浴衣なんてしっかり着ることがないから胸元から腹筋まで空気に晒されている。彼女はそれに恥ずかしがっているのか。
フッと鼻で笑うとアイラは、しっかり着てください、と縮こまりながら言った。
しばらく外を歩けば彼女はすんすんと鼻を動かす。
「花の良い香りがしますね」
「今日からお前が生活する百合の宮」
本邸から徒歩数分の距離に位置している別邸、百合の宮。敷地内に建てられている別邸内でも一際広く、そして最も美しい。
宮を取り囲むように白百合が咲き誇っている。
屋敷の縁側にアイラを降ろす。すると見計らっていたかのように2つの気配が現れた。
「そちらがアイラ様ですか?まとこに美しい方でいらっしゃいますね」
「雅か」
「はい、お久しゅうございますね。一様」
気配の1つは流水。そしてもう1つは卯ノ花雅のものであった。
「ハジメ様、その……浴衣がはだけていて」
視線を下へとずらせば耳まですっかり赤く染ったアイラが目を右往左往させていた。
ああ、そういうことか。
普段から浴衣なんてしっかり着ることがないから胸元から腹筋まで空気に晒されている。彼女はそれに恥ずかしがっているのか。
フッと鼻で笑うとアイラは、しっかり着てください、と縮こまりながら言った。
しばらく外を歩けば彼女はすんすんと鼻を動かす。
「花の良い香りがしますね」
「今日からお前が生活する百合の宮」
本邸から徒歩数分の距離に位置している別邸、百合の宮。敷地内に建てられている別邸内でも一際広く、そして最も美しい。
宮を取り囲むように白百合が咲き誇っている。
屋敷の縁側にアイラを降ろす。すると見計らっていたかのように2つの気配が現れた。
「そちらがアイラ様ですか?まとこに美しい方でいらっしゃいますね」
「雅か」
「はい、お久しゅうございますね。一様」
気配の1つは流水。そしてもう1つは卯ノ花雅のものであった。