青い星を君に捧げる【弐】
卯ノ花雅は俺と流水の幼なじみであり、本郷家に仕えている。絶対的信頼のおける女だ。


その容姿はアイラとは対照的で大和美人である。真っ直ぐに伸びた何にも染ることの無い黒髪。


普段は俺の衣食の用意をしているが、これからはアイラの侍女として遣わすために呼び寄せたのだ。


「アイラ様でいらっしゃいますね。わたくし卯ノ花雅と申します。貴方様の側仕えとして今後よろしくお願い致しますね」


「はい!雅さん、こちらこそお願いします」


「ふふふ、わたくしのことは雅と呼び捨ててくださいませ。それに敬語は不要です。この本郷家では力の優劣を明確にしなくてはなりません」


雅はアイラが腿の上で組んでいる両手を取り、微笑んだ。


この様子なら雅に任せて良さそうだ。


「アイラ、服でも装飾でも欲しいものは何でも雅に言え。金に糸目はつけないから気にかけてやれ、雅」


「委細承知いたしました」

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《side.アイラ・キャベンディッシュ》

ハジメ様が去った後、雅に百合の宮を案内してもらっていた。足を怪我している私に合わせてその足取りはとてもゆったりしたものだ。
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