青い星を君に捧げる【弐】
どんなものを買えばいいのか検討がない私に雅は様々なお店を見て回ることができる複合型施設に連れてきてくれた。


ハジメ様はきっと欲すればどんなに高価なものでも大抵は手に入れることが出来る。そんな方への贈り物、と私は持っていた小さなバッグを握りしめた。


雅はお金を気にしないで、と言ってくれた。だが、自分で得たお金でプレゼントを購入しようとこれまで貯金してきたものを持ってきたのだ。

𓂃◌𓈒𓐍

平日ということもあって人は少ないはずだと聞いていたが、思った以上に人の流れがある。


「どこから見ましょうか。こちらなんてどうです?」


呆気に取られて足が動き出さない私を見かねて雅はすぐそばのお店へと私を誘導する。


それから私たちは多くのショップを見て回った。もちろんハジメ様の誕生日プレゼントのことは頭の片隅にあるけれど、雅と女子トークに花を咲かせているとついつい目的を忘れてしまいがちだ。


「……これにしようかな。どうかな、雅」


最終的に私が選んだものを彼女に判断してもらう。これで良い反応じゃなかったら諦めて雅に選んでもらおう、と心の中で少しだけ落ち込む。


「わたくしはアイラ様が選ばれたものならば一様はどのような品でもお喜びになると思っております。ですから、そちらの商品はきっと一様も受け取ってくれますよ」
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