青い星を君に捧げる【弐】
慎になびかない女の子ってどんな子なんだろ。さぞかし可愛くて愛想もいいんだろうな。
「そいつのことを知れば知るほど、もっと知りたくなる。だけど俺が今まで見てきたのは表面上だけで、本当は何も知らなかったんじゃないかって思う」
慎は飲み終わったカップを横に置いて空いた手を組む。紅く染まり出した葉を夕日がより引き立てる。少し離れた隣にいる慎が深呼吸した。緩く結ばれた漆黒の髪が揺れる。
「波瑠……」
「ん?」
「好きだ」
「エ…?!」
今なんて??え待って聞き間違い?そんなわけないよね、この近距離で。慎が私のこと好き?慎の好きな人が私??
「……ははっ!おまえのそんな顔初めて見たかもな」
くつくつと目を細めていたずらっ子のように笑う彼には申し訳ないけど、わたしは…
「慎、ごめんだけど私は「やめろ…」」
「やめてくれ。おまえが他の男を好きなのは分かってる。だけどまだ…まだチャンスはあんだろ。だからまだ言わないでくれないか?」
私が言う言葉に彼はすぐに反応して、これ以上話せないように手のひらで私の口を止めた。
だけど数秒後には苦しかったか、と謝りながらその大きな手は口から離れていく。風が吹いて私の唇に早く動けと催促する。
「…わ、わかった。言わない」
風に乗って運ばれたおそらく彼の香水、あまい香りが鼻腔をくすぐった。
「そいつのことを知れば知るほど、もっと知りたくなる。だけど俺が今まで見てきたのは表面上だけで、本当は何も知らなかったんじゃないかって思う」
慎は飲み終わったカップを横に置いて空いた手を組む。紅く染まり出した葉を夕日がより引き立てる。少し離れた隣にいる慎が深呼吸した。緩く結ばれた漆黒の髪が揺れる。
「波瑠……」
「ん?」
「好きだ」
「エ…?!」
今なんて??え待って聞き間違い?そんなわけないよね、この近距離で。慎が私のこと好き?慎の好きな人が私??
「……ははっ!おまえのそんな顔初めて見たかもな」
くつくつと目を細めていたずらっ子のように笑う彼には申し訳ないけど、わたしは…
「慎、ごめんだけど私は「やめろ…」」
「やめてくれ。おまえが他の男を好きなのは分かってる。だけどまだ…まだチャンスはあんだろ。だからまだ言わないでくれないか?」
私が言う言葉に彼はすぐに反応して、これ以上話せないように手のひらで私の口を止めた。
だけど数秒後には苦しかったか、と謝りながらその大きな手は口から離れていく。風が吹いて私の唇に早く動けと催促する。
「…わ、わかった。言わない」
風に乗って運ばれたおそらく彼の香水、あまい香りが鼻腔をくすぐった。