青い星を君に捧げる【弐】
救急搬送された彼方の付き添いとして私は病院まで同行した。幸い手術するような大きな傷ではなかったようで、今は病室で静かに眠っている。
____トントン
「はい」
「彼方の様子は?」
入ってきたのは慎と杏里それから二人。
「寝てるよ、えっと…そちらの方達は?ってえ!!」
「はっ!?」
「波瑠さん!!?」「剣斗くん!?」
二人のうち一人…多分だけどさっき倉庫にいた赤髪ポニテ、それが剣斗ってこと?
「二人とも知り合いだったの?」
杏里がびっくりして私たち二人を交互に指差しながら聞いた。剣斗だって口をあんぐりと開けて固まってる。
「波瑠さんには去年の冬に世話になったんや。西でな」
「彼が夜の公園でぶっ倒れてるものだからさ、思わず助けちゃったの」
剣斗くんはあの時作ってくれた鍋の味は一生忘れませんわぁ〜と懐かしげに話す。彼が倒れてた理由はまさかの飢え。お金がなくて困ってたらしい。
「その後も波瑠さんの家に居候させてもらったん」
「波瑠ん家に泊まりって…剣斗に手出されなかったの?!」
「ぜーんぜん」
「だってよ、一回ちょーっと触れただけで平手打ち食らって…それから波瑠さんをそんな目で見られへんくなったわ」
そんなとこまで言わなくたって、と赤髪のポニーテール部分を軽く握って後ろに引っ張る。そーいうところですよ波瑠さん、と笑って遊ばれているので、もういいやと手を離した。
それでもう一人の見知らぬ人は誰なのかと視線を向ける。年上の方だろうなと思った。20代後半くらいの男性。
その人はやっと自分のスマホをおもむろに取り出し、何回か操作した後画面を私に向けた。
『初めまして、佐野大輝と言います。彼方の師匠(?)みたいな者です』
「大輝さん…えっと声が?」
こちらのことは聞こえているようでまたスマホを素早くタップして画面を見せる。
『はい。彼方の様子は…?』
「軽い脳震盪のようです。出血も止まっていますし、しばらくすれば目を覚ますかと」
『そうですか本当によかった』
大輝さんはほっと胸を撫で下ろす。彼方の関係者の方ならもっと早くに教えるべきだった。よほど心配しただろうに。
「大輝さんとは俺らも何回か会ったことがあるんよ。だから彼方に会いにきてた大輝さんと倉庫向かったら襲撃されてるからびっくりやわ」
____トントン
「はい」
「彼方の様子は?」
入ってきたのは慎と杏里それから二人。
「寝てるよ、えっと…そちらの方達は?ってえ!!」
「はっ!?」
「波瑠さん!!?」「剣斗くん!?」
二人のうち一人…多分だけどさっき倉庫にいた赤髪ポニテ、それが剣斗ってこと?
「二人とも知り合いだったの?」
杏里がびっくりして私たち二人を交互に指差しながら聞いた。剣斗だって口をあんぐりと開けて固まってる。
「波瑠さんには去年の冬に世話になったんや。西でな」
「彼が夜の公園でぶっ倒れてるものだからさ、思わず助けちゃったの」
剣斗くんはあの時作ってくれた鍋の味は一生忘れませんわぁ〜と懐かしげに話す。彼が倒れてた理由はまさかの飢え。お金がなくて困ってたらしい。
「その後も波瑠さんの家に居候させてもらったん」
「波瑠ん家に泊まりって…剣斗に手出されなかったの?!」
「ぜーんぜん」
「だってよ、一回ちょーっと触れただけで平手打ち食らって…それから波瑠さんをそんな目で見られへんくなったわ」
そんなとこまで言わなくたって、と赤髪のポニーテール部分を軽く握って後ろに引っ張る。そーいうところですよ波瑠さん、と笑って遊ばれているので、もういいやと手を離した。
それでもう一人の見知らぬ人は誰なのかと視線を向ける。年上の方だろうなと思った。20代後半くらいの男性。
その人はやっと自分のスマホをおもむろに取り出し、何回か操作した後画面を私に向けた。
『初めまして、佐野大輝と言います。彼方の師匠(?)みたいな者です』
「大輝さん…えっと声が?」
こちらのことは聞こえているようでまたスマホを素早くタップして画面を見せる。
『はい。彼方の様子は…?』
「軽い脳震盪のようです。出血も止まっていますし、しばらくすれば目を覚ますかと」
『そうですか本当によかった』
大輝さんはほっと胸を撫で下ろす。彼方の関係者の方ならもっと早くに教えるべきだった。よほど心配しただろうに。
「大輝さんとは俺らも何回か会ったことがあるんよ。だから彼方に会いにきてた大輝さんと倉庫向かったら襲撃されてるからびっくりやわ」