青い星を君に捧げる【弐】
「今夜もそうなのか?」
「うん…」
よしわかった、と自身の膝を叩いて大輝さんは立つと僕の頭に手を乗せる。暖かい、大きな手だった。
「彼方はこれから俺の弟子な。で、家追い出されたら俺を頼ること。来いよ!!」
初めて差し伸べられたそれは、僕をこの状況から救い出してくる蜘蛛の糸のようなものだ。
大輝さんに連れられて来たのは大きな廃工場があった倉庫のようなところ。中に入って見ればあったかくて、綺麗だった。
「ここはね、暴れん坊たちが沢山集まってる場所」
そこは大輝さんの言うように怖そうなお兄さんたちがたっくさんいる。だけどそれよりも僕にとっては安心できる所だと思った。
「…これから僕もここに来ていい?」
隣にいる大輝さんの制服の裾をぎゅっと握った。大輝さんは僕の狭いの肩を自分の方へと寄せて抱きしめてくれた。
「俺はお前の師匠で、お前は俺の弟子だ。今日からここが彼方の居場所だよ」
僕のことを認めてくれた初めての人は大輝さんだった。その安心感から涙が溢れる。5歳、年相応に僕は大輝さんに背中を撫でられながら声を上げて泣いた。
「にしても、俺たちがガキの面倒見るなんて…世も末だぜ」
大輝さんから紹介された怖いお兄さんたちは見た目だけで、話せば優しい人たちだった。本当に僕に年の離れたお兄ちゃんができたよう。
僕は母から逃げるためにほぼ毎日のように大輝さんの元を訪れていた。それに対する母のアクションはない。だから僕は自由になった。
「大輝さん!!!今日も喧嘩相手してよっ!」
金髪のお兄ちゃんと紙を見ながら立ち話をしていた大輝さんは全速力で向かってくる僕を見て、しゃがんで腕を伸ばす。
僕はスピードを緩めることなく大輝さんの腕の中に飛び込んだ。ウッ、と頭上で痛がる声がしたけどそんなの知らない。そのまま抱き上げられると、大輝さんと同じ視線になった。
「彼方…ごめんな。今日は外せない用事があるんだよ」
「ええ〜!?」
「ごめんな…「坊、今日は俺たちが遊んでやるよ」
大輝さんと向かいあっていたのが、後ろから伸びてきた手が僕を大輝さんの腕の中から脱出させた。
「遼玄さんがぁ〜??ええ〜」
「なんだお前…文句あるんか?ああ”!?」
間近で遼玄さんに睨まれて慌てて腕から逃げ出す。待てコラ!!と追いかけられて突如追いかけっこが始まる。
「彼方怪我すんなよ!遼玄も暑くなりすぎんな!!」
大輝さんの声に返事もできずに倉庫の中を走り回る。
「うん…」
よしわかった、と自身の膝を叩いて大輝さんは立つと僕の頭に手を乗せる。暖かい、大きな手だった。
「彼方はこれから俺の弟子な。で、家追い出されたら俺を頼ること。来いよ!!」
初めて差し伸べられたそれは、僕をこの状況から救い出してくる蜘蛛の糸のようなものだ。
大輝さんに連れられて来たのは大きな廃工場があった倉庫のようなところ。中に入って見ればあったかくて、綺麗だった。
「ここはね、暴れん坊たちが沢山集まってる場所」
そこは大輝さんの言うように怖そうなお兄さんたちがたっくさんいる。だけどそれよりも僕にとっては安心できる所だと思った。
「…これから僕もここに来ていい?」
隣にいる大輝さんの制服の裾をぎゅっと握った。大輝さんは僕の狭いの肩を自分の方へと寄せて抱きしめてくれた。
「俺はお前の師匠で、お前は俺の弟子だ。今日からここが彼方の居場所だよ」
僕のことを認めてくれた初めての人は大輝さんだった。その安心感から涙が溢れる。5歳、年相応に僕は大輝さんに背中を撫でられながら声を上げて泣いた。
「にしても、俺たちがガキの面倒見るなんて…世も末だぜ」
大輝さんから紹介された怖いお兄さんたちは見た目だけで、話せば優しい人たちだった。本当に僕に年の離れたお兄ちゃんができたよう。
僕は母から逃げるためにほぼ毎日のように大輝さんの元を訪れていた。それに対する母のアクションはない。だから僕は自由になった。
「大輝さん!!!今日も喧嘩相手してよっ!」
金髪のお兄ちゃんと紙を見ながら立ち話をしていた大輝さんは全速力で向かってくる僕を見て、しゃがんで腕を伸ばす。
僕はスピードを緩めることなく大輝さんの腕の中に飛び込んだ。ウッ、と頭上で痛がる声がしたけどそんなの知らない。そのまま抱き上げられると、大輝さんと同じ視線になった。
「彼方…ごめんな。今日は外せない用事があるんだよ」
「ええ〜!?」
「ごめんな…「坊、今日は俺たちが遊んでやるよ」
大輝さんと向かいあっていたのが、後ろから伸びてきた手が僕を大輝さんの腕の中から脱出させた。
「遼玄さんがぁ〜??ええ〜」
「なんだお前…文句あるんか?ああ”!?」
間近で遼玄さんに睨まれて慌てて腕から逃げ出す。待てコラ!!と追いかけられて突如追いかけっこが始まる。
「彼方怪我すんなよ!遼玄も暑くなりすぎんな!!」
大輝さんの声に返事もできずに倉庫の中を走り回る。