青い星を君に捧げる【弐】
胸に込み上げたものが一気に爆発する。足早に湊に近づき胸ぐらを掴む。
「じゃあどうして!!!あの時お前は謝った!!!」
青龍から離れるのを止めようとした俺に言った言葉は何だったのか。何に対しての謝罪だったんだ。
「それは___」
その時だった。突然舞踏会会場を照らすシャンデリアのライトが一気に消えた。そして窓ガラスが粉々に割れる音が響く。
「彼方、優!!リンファから離れるな」
数人が窓から侵入し、ダンスフロアへと降りてくるのが暗さになれてきた目が捉えた。スマホを取り出そうとした手を隣にいた湊が腕ごと掴んで阻止する。
「目立つ、つけんな」
手の動きを止めると湊の手も離れる。暗闇でうろちょろと誰かを探すように動く侵入者。
電気の復旧はまだか…。
「妙じゃないか?誰を人質にも取らずに、誰かを探してる」
「同感だな、慎。悪りぃ予感がする」
侵入者の1人がこっちを見た。そいつが周りの侵入者たちに声をかけると俺たちの方へと向かって来る。
ハッ、と顔を左隣にいた俺に向けると湊は両手で俺を突き飛ばし、そして侵入者たちに囲まれた。
罪を犯した者のように膝を床につかされて、湊は侵入者たちに取り押さえられる。湊は腕を動かして抵抗するが、男数人の力には勝らない。
「湊!!」
助けに入ろうとするが来るな、と湊は口を動かした。
消えていた電気が復旧し、フロアに明かりが戻る。視界が明るさに慣れずに目を細めると、取り抑えられた湊の前に1人の舞踏会用のタキシードを着た男が現れた。
「君の本当の名前は"ミナト"と言うのですか……桃」
「ラン……お前どういうつもりだ」
見下すランと呼ばれる男を湊は睨む。そんな湊の顎に不気味に微笑むランが指を添える。
「君は私の計画には必要不可欠な存在だからね。丁重にもてなすよ」
「……テメェの計画だ?」
「はい。桃源郷に桃はなくてはならないでしょう」
湊は拘束していた男たちに立たせられるとランに続いて大扉へ歩き出した。彼方が隣来て小声で話す。
「慎、どうする?」
「無計画に突っ込んでも俺たちがやられるだけだ。…それにランってやつと湊の関係がわからな「__ラン!!!」
俺の話はリンファの声によってかき消された。優の制止を振り切って足を止めたランの元へヒールを鳴らして走り寄る。
ラン、その名は聞き覚えがあった。そう。彼女の話に出てきていて、彼女がこんなとこまで危険を冒してまで探しにきたあの 浩然なのか。
聞いた話でイメージしていた人物とはまるで別人だった。
「じゃあどうして!!!あの時お前は謝った!!!」
青龍から離れるのを止めようとした俺に言った言葉は何だったのか。何に対しての謝罪だったんだ。
「それは___」
その時だった。突然舞踏会会場を照らすシャンデリアのライトが一気に消えた。そして窓ガラスが粉々に割れる音が響く。
「彼方、優!!リンファから離れるな」
数人が窓から侵入し、ダンスフロアへと降りてくるのが暗さになれてきた目が捉えた。スマホを取り出そうとした手を隣にいた湊が腕ごと掴んで阻止する。
「目立つ、つけんな」
手の動きを止めると湊の手も離れる。暗闇でうろちょろと誰かを探すように動く侵入者。
電気の復旧はまだか…。
「妙じゃないか?誰を人質にも取らずに、誰かを探してる」
「同感だな、慎。悪りぃ予感がする」
侵入者の1人がこっちを見た。そいつが周りの侵入者たちに声をかけると俺たちの方へと向かって来る。
ハッ、と顔を左隣にいた俺に向けると湊は両手で俺を突き飛ばし、そして侵入者たちに囲まれた。
罪を犯した者のように膝を床につかされて、湊は侵入者たちに取り押さえられる。湊は腕を動かして抵抗するが、男数人の力には勝らない。
「湊!!」
助けに入ろうとするが来るな、と湊は口を動かした。
消えていた電気が復旧し、フロアに明かりが戻る。視界が明るさに慣れずに目を細めると、取り抑えられた湊の前に1人の舞踏会用のタキシードを着た男が現れた。
「君の本当の名前は"ミナト"と言うのですか……桃」
「ラン……お前どういうつもりだ」
見下すランと呼ばれる男を湊は睨む。そんな湊の顎に不気味に微笑むランが指を添える。
「君は私の計画には必要不可欠な存在だからね。丁重にもてなすよ」
「……テメェの計画だ?」
「はい。桃源郷に桃はなくてはならないでしょう」
湊は拘束していた男たちに立たせられるとランに続いて大扉へ歩き出した。彼方が隣来て小声で話す。
「慎、どうする?」
「無計画に突っ込んでも俺たちがやられるだけだ。…それにランってやつと湊の関係がわからな「__ラン!!!」
俺の話はリンファの声によってかき消された。優の制止を振り切って足を止めたランの元へヒールを鳴らして走り寄る。
ラン、その名は聞き覚えがあった。そう。彼女の話に出てきていて、彼女がこんなとこまで危険を冒してまで探しにきたあの 浩然なのか。
聞いた話でイメージしていた人物とはまるで別人だった。