青い星を君に捧げる【弐】
「ラン!!どうしてそんなことするの!?」


リンファはランの腕を掴む。ランは鬱陶しいと眉間に皺を寄せて眼下にいるリンファを睨んだ。


「……離していただけますか?私の手が出ないうちに」


「あの優しかったランはどこに行ってしまったの」


「あのころの私はもういないよ……リンファ」


悲しげなランの瞳はリンファを狼狽えさせるには十分すぎた。その隙にランは彼女から腕を逃がして歩き出す。


押さえつけられていた湊もランたち一同に抵抗虚しく連れていかれる。



俺たちは、俺はまた何も出来ないまま湊を見ているだけだった。


俺たち青龍もリンファも求めていたものは戻ってこず、結果もないままマスカレードは閉幕した。
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