青い星を君に捧げる【弐】
____翌日

彼方は無事退院した。起きた時に大輝さんがもういなかったことに拗ねていたけど。

火天による奇襲の被害は想像以上に大きいものだった。加えて彼らの力は計り知れない。こちらもいつ衝突してもいいように備えなければならない。


「火天とぶつかり合えば…今までの規模をゆうに超えるだろうな」


幹部室で始まった会議。皆深刻な顔をしている。…ここは私が口を出すところじゃないな。


「波瑠…1人で出歩かないでね」


彼方は心配そうに隣に座る私に言った。

火天は西にいた私は聞いたことがなかったが、青龍とタメを張るほどの勢力があるという。しかもここ最近トップが変わったのかその勢いは止まることを知らない。


「下の奴らにもグループで歩くように伝えろ」


この場に湊がいればどれほど心強かったか…と思ってしまう。彼が抜けた穴は想像以上に大きかった。


「……同盟・傘下に収集を」


「青龍に同盟とかあるんだ」


まあ、たいていの族はそう言うのがある。白虎が例外なだけ。


「波瑠も顔合わせしておいた方がいい。もしもの時は奴らが助けてくれるはずだから」


ノートパソコンをいじりながら杏里が言う。さっきからずっと触ってるから情報を集めたりしてるのかもしれない。


「波瑠」

「ん?」


慎の真剣な目に私が映る。


「お前のことは絶対に守る…だけど何かあったらその時はn「逃げないよ、私」


慎が言いたいことはわかった。全部私のために考えてくれてる。


「私だって青龍の仲間だもの。みんなが傷ついて立てなくなっても私が助ける。貴方たちの居場所は私も守りたい」


「フッ…でも無理だけはしないでくれ」


「うん」


そうは言ったけど、私は青龍のみんなが潰れてしまったら無茶でも一人で火天に突っ込んでしまう。


たとえそれで私の正体がバレてしまう可能性があったとしても。青龍を終わらせたりなんか絶対しない。
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