青い星を君に捧げる【弐】
「動くな!!それ以上動くと撃つ「黙れ。誰が口を開いていいと言った」……ハァ?!」


一歩、また一歩と男たちに近づく。その度に私の殺気が増す。屈強な男たちが顔を青白くし、銃口が定まっていない。


怖かろう、恐ろしかろう。
“あたし”は本気だ。


1人が恐怖に耐えきれずに叫びながら引き金を引こうとした。


「__シー」


人差し指を唇に当て、微笑んだ。あたしの仕草を見た男はピストルを落とし、尻餅を着く。他の男たちも膝はガクガクと震え、立っているのがやっとな様子だ。


「おっお前!!何者なんだ?!」


上擦った声が長い廊下に響いた。マフィアの男どもが何とも情けないな。あたしは垂れていた横髪を耳にかけ、服に隠れていたネックレスを出した。


今まで隠れていた両耳にはピアスとそれからイヤーカフが光る。シルバーのそれには藤の紋が刻まれていた。そしてネックレスにも同様のデザインがあり、中心には“弍”と掘られている。


「そっ、そんなのがなんだと「おい、待て。あれは、聞いたことがある。藤の紋は天沢家以上の力を持っている日本を牛耳る家門“本郷家”のものだ」


尻餅をついた男の言葉を遮るように震える男が言った。その声は小さいながらも確かにあたしの後ろにいる青龍たちにも届いたのだろう。三者三様の反応をみせる。
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