青い星を君に捧げる【弐】
ビルの物販フロアに到着し、気づいたことがある。客が退避されており行動がしやすい。おそらくは波瑠か匡の計らい。
そして1階に着くと激しく争いあった痕跡が残され、マフィアの男たちが倒れていた。コンクリートが崩れ、展示品なども壊されていてけむりが舞っている。
「慎……だったか」
息を整えている俺たちの背後から急に声がした。気配がしなかった。咄嗟に振り返ると一度見たことがある赤髪が立っている。
「そうだ。地下への道は確認できてるか」
「ああ、話は通してあるからこの部隊長と一緒に地下へ」
「お前は?」
「俺は、うちの姫の援護を。上階の爆発物の遠隔停止ができそうにない。19時には爆発される、急がないと」
19時までは残り30分を切っていた。俺も波瑠のところへ、と喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。
完全に武装している匡はきっと戦闘慣れしている。そして何の訓練も受けたことのないただの総長では、足手纏いだ。
「__波瑠を頼んだ」
俺たちと匡はバトンタッチするように視線を合わせながら再び走り出した。
そして1階に着くと激しく争いあった痕跡が残され、マフィアの男たちが倒れていた。コンクリートが崩れ、展示品なども壊されていてけむりが舞っている。
「慎……だったか」
息を整えている俺たちの背後から急に声がした。気配がしなかった。咄嗟に振り返ると一度見たことがある赤髪が立っている。
「そうだ。地下への道は確認できてるか」
「ああ、話は通してあるからこの部隊長と一緒に地下へ」
「お前は?」
「俺は、うちの姫の援護を。上階の爆発物の遠隔停止ができそうにない。19時には爆発される、急がないと」
19時までは残り30分を切っていた。俺も波瑠のところへ、と喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。
完全に武装している匡はきっと戦闘慣れしている。そして何の訓練も受けたことのないただの総長では、足手纏いだ。
「__波瑠を頼んだ」
俺たちと匡はバトンタッチするように視線を合わせながら再び走り出した。