青い星を君に捧げる【弐】
彼らの欲している白虎との繋がりがある私をその場にいる人達は誰も責めることは無かった。


「つ、ツキは!?ツキが何処にいるのかは知ってるの?!!」


彼方が興奮気味に前のめりで聞いた。その勢いに私も匡も顔を見合せる。


ごめんね、それはまだ教えられないんだ。


でも、知らないって嘘はつかないよ。偽りの笑顔という仮面を被るのには疲れちゃったから。


「"言えない"。ツキのことはもちろん他のメンバー、内部事情も。情報は何よりも武器になるから。私は彼らのことを売るつもりは無い」


この言葉の裏に隠された意味をこの場にいる誰もが理解したと思う。その意味は全員が痛いほど知り得ているのだから。


いつか私が白虎を離れる日が来たとしてもあなた達の情報を口にはしない。


きっとそういう信頼があるのか試すことになる。だから慎は躊躇っていた。


優しいね、君は。


でもその優しさをこの先捨てなければいけない日が来る。私も同じ立場だからこそ分かる。


前総長はそれを見越して湊を副総長にしたんだと思う。彼には慎にはない嫌われ役を買って出る性格があるから。


貴方たち2人は一緒にいてこそ、強くなれると思うんだけどね。
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