室長はなにをする人ぞ
五嶋さんが今一度、探している手元灯の画像を見つめている。
すりガラス調でブロック状の小ぶりな照明だ。一つだけでは光量が足りないのだろう、それを二つ並べて付けている。
「言われてみると、本来はキッチンの手元灯じゃなさそうだな」
「普通、キッチン用だと細長い蛍光灯みたいな照明ですよね」
自宅や実家のキッチンを思い浮かべながら、口にする。
「この形状…」
五嶋さんの長い指が、何かを探し求めるように小さく動いている。
記憶のページをめくっているのだろうか。
やああって口にする。
「早川さん、W社のエクステリア総合カタログを持ってきてくれるかな。十五年くらい前の版を」
はい、とわたしはいさんで書架に向かう。
はたして———
「あった」
「これですね」
二人で同時にページを指さしてしまった。
それは門柱の上に取り付ける、キューブ状の門灯だった。
「形といいサイズといい、まず間違いない。これをキッチンの手元灯に転用したのか。面白いアイディアだな」
興味深そうに口にする五嶋さんの目には、少年のような好奇心が閃いている。
すりガラス調でブロック状の小ぶりな照明だ。一つだけでは光量が足りないのだろう、それを二つ並べて付けている。
「言われてみると、本来はキッチンの手元灯じゃなさそうだな」
「普通、キッチン用だと細長い蛍光灯みたいな照明ですよね」
自宅や実家のキッチンを思い浮かべながら、口にする。
「この形状…」
五嶋さんの長い指が、何かを探し求めるように小さく動いている。
記憶のページをめくっているのだろうか。
やああって口にする。
「早川さん、W社のエクステリア総合カタログを持ってきてくれるかな。十五年くらい前の版を」
はい、とわたしはいさんで書架に向かう。
はたして———
「あった」
「これですね」
二人で同時にページを指さしてしまった。
それは門柱の上に取り付ける、キューブ状の門灯だった。
「形といいサイズといい、まず間違いない。これをキッチンの手元灯に転用したのか。面白いアイディアだな」
興味深そうに口にする五嶋さんの目には、少年のような好奇心が閃いている。