室長はなにをする人ぞ
そうして恋愛には相変わらず及び腰なまま、年月だけが流れていった。

「ガツガツした男が受け付けないなら、学者さんとか研究者とか、どうなの?」
と友達の真紀は気楽なことを言ってくれる。

「なんか、頭良さそうだけど変わり者っていうイメージだなあ」
だいたいどこで出会うんだろう?

「まあ、ね。人付き合いより、本読んだり顕微鏡覗きこんだりする方が好きって、なんか想像できないや」
真紀は言っておいて首をひねる。

「あれもイヤ、これもイヤじゃ一生恋愛なんてできないのは分かってるんだけどね…」
好きと思えない人と付き合う気にはどうしてもなれなくて、こうして女友達にグチを言うのが関の山。

そんなこんなで、ついにわたしは、彼氏いない歴25年になってしまった。
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