青色交差点
「机の中のものぶん投げたり、黒板にでっかく難読漢字いくつも書き殴ったりマジクレイジーだったな。」

笠野くんが可笑しそうに笑いながらビールをぐいっと呷ると須藤くんが続く。

「普段そんなことしないやつだから俺達も驚いたけど、女子達も驚いてて泣きそうな子もいたよ。それで『佐原マジやばい!』ってなって日下部のことはすっかり忘れたみたいだよ。それが佐原の作戦だったんでしょ?」

「そうなの!?」

驚いて颯太に聞いてみると『そんな昔のこと覚えてない。』とそっぽを向かれる。

「いいトシしたおっさんが照れんなって!大好きな陽南(ひなみ)ちゃんを守りたかったくせに。」

笠野くんに肩を叩かれながら言われた颯太は『陽南を名前で呼ぶな!』と番犬のようにガルルと歯をむいている。そんな彼の口に須藤くんが『よーしよし。』と言いながら煮物に入っていた鶏ササミを押し込んだ。
< 100 / 135 >

この作品をシェア

pagetop