青色交差点
終わった。人生最大の失態だ。
『うわあぁぁ!!』とみっともない声を上げながら手紙を奪おうとする。俺の様子に驚いたようだった日下部さんは逆に紙を持つ手に力を入れてしまい、手紙は真っ二つに破れた。
「あ・・・。」
なんだか悲しげな表情になってしまった日下部さんの手に残っている手紙の片割れを奪い取ろうとすると、彼女は近くにあったレースのカーテンの中にくるまった。顔は出ているが手紙は彼女の手と共にカーテンの中だ。
「頼む!返して!」
「いや。」
俺の懇願に対し日下部さんは駄々っ子のようにほっぺたを膨らませながら首を振った。
「なんでだよ。それ、渡すつもりなかったんだから。」
「・・・そうなんだ。」
俺の言葉に今度は沈んだ表情になってしまった日下部さんを見ていくらか冷静になってきた。
「その、あんまりにも自分の気持ちそのまんまだから、キモいし。」
「キモくなんてないよ。全部読めてないけど嬉しい。だって私のことこんなに・・・。」
彼女はカーテンの中で手紙を握りしめたようだった。瞳にうっすらと涙が浮かんでいる。
『うわあぁぁ!!』とみっともない声を上げながら手紙を奪おうとする。俺の様子に驚いたようだった日下部さんは逆に紙を持つ手に力を入れてしまい、手紙は真っ二つに破れた。
「あ・・・。」
なんだか悲しげな表情になってしまった日下部さんの手に残っている手紙の片割れを奪い取ろうとすると、彼女は近くにあったレースのカーテンの中にくるまった。顔は出ているが手紙は彼女の手と共にカーテンの中だ。
「頼む!返して!」
「いや。」
俺の懇願に対し日下部さんは駄々っ子のようにほっぺたを膨らませながら首を振った。
「なんでだよ。それ、渡すつもりなかったんだから。」
「・・・そうなんだ。」
俺の言葉に今度は沈んだ表情になってしまった日下部さんを見ていくらか冷静になってきた。
「その、あんまりにも自分の気持ちそのまんまだから、キモいし。」
「キモくなんてないよ。全部読めてないけど嬉しい。だって私のことこんなに・・・。」
彼女はカーテンの中で手紙を握りしめたようだった。瞳にうっすらと涙が浮かんでいる。