青色交差点
───もし今私がここからいなくなって駅まで行って電車で家に向かってしまってもバス乗るまで誰も気づかないんだろうな。

むしろ気づかないでほしいと思った。この集団の中に空気のように存在しそのまま卒業してまた別の集団の中で空気として存在するのを繰り返す。きっと私の人生はそんな風に終わっていくのだろう。

そう思った時、佐原くんや高島さんが私のことを気にかけていてくれたことを思い出したらキャンドルのような淡い光が心に灯った。温度がなかった心がほんのり温かくなったように感じた。
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