青色交差点
最初の見学先である有名なお寺に到着した。食後なので眠い。

今日は全員が同じ行程で観光し、明日はそれぞれの班で決めた行程で行動することになっている。とは言え今日も見学は班ごとですることになっていた。

班のメンバーと集まると先導する男子トリオについていく。学校に帰ったらまた『学習』として見てきたことをまとめないといけないので書けそうなネタを探しながら歩いた。

男子達はどんどん奥の方に入っていく。リュックを背負った背中が汗ばんでいくのを感じながら歩いていると途中で階段のようにはなっているものの登りにくいところがあった。私の次、最後に登っていた高島さんが『あっ。』と小さく声を出す。とっさによろけた彼女の手を掴むと『ありがと。私、こういうところ苦手で。』と返ってくる。なんとか彼女の手を引いて登ろうとするものの私の方が体も大分小さいし力が強いわけでも運動神経が良いわけでもない。私達はそのまま進めなくなってしまった。

他のメンバー達の姿は見えなくなってしまったし『待って~!』などと大声を出す勇気もなかった。
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