青色交差点
「風呂敷なんておばあちゃんみたいだし・・・でも・・・。」

俯いていた小橋さんはそこで顔をあげた。

「日下部さんも興味を持ってくれるってわかってたら『行きたい。』って言えたかも。」

「そっか。もう少し早く風呂敷のこと話せたら良かったね。」

そう言うと小橋さんは心底残念そうに頷いた。他の女子達が男性アイドルやスイーツ、コスメなんかにこぞってときめいている様子を見ると、本当にそれが好きなのかな?と思っていた。人の趣味なんてそれぞれなんだから周りに合わせてるんじゃないかな?なんて思っていたのだ。

そんな中ひとり風呂敷にときめいている小橋さんがなんだかすごく素敵だな、と思った。

「お風呂・・・行く?」

そう言ってみると小橋さんは今度は嬉しそうに頷いた。
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