青色交差点
私達の部屋がある別館から本館にある大浴場まではなかなか距離があった。

「風呂敷は海外でもFuroshiki(フロシキ) wrap(ラップ)って呼ばれて人気なの。」

「そっか時代はサステナブルだもんね。」

私の言葉に小橋さんはうんうんと力強く頷いた。

「風呂敷専門店や包み方のワークショップもあるみたい。」

「へーそうなんだ。すごいね。海外だと更に個性的な柄とかありそう。」

「・・・ある?』

「え?」

風呂敷について話す時はいつもより声を張っていた小橋さんの声が通常通りのささやかなものになったので聞き返す。

「夢とかある?」

「え?夢?」

なんで風呂敷から急に夢の話になったんだろう、と思うが小橋さんが神妙な様子なのでちゃんと答えなくてはと思う。
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