青色交差点
「初めて親と先生以外に夢言っちゃった。」

小橋さんは頬を赤らめていた。そんな彼女を見て心がじんわりと温かくなる。

「そうなんだ。なんか嬉しい。ありがとう。」

「あたしこそありがとう。」

「夢、叶うといいね。」

「現実はなかなか厳しいと思うけど。」

そんな感じで話しているうちに私達はいつの間にか大浴場を通り過ぎてフロントまで行ってしまい顔を見合わせて笑った。まるで風呂敷を開いたらそこに包まれていたおしゃべりと笑顔が飛び出して来た、みたいな楽しい時間だった。
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