青色交差点
「笠野、離れてやって。怯えてる。」

須藤くんに穏やかに言われると長身の笠野くんは上から私を覆うようにして後ろの小橋さんを覗き込む。距離が近い。

「やめたら。」

今度は佐原くんが鋭く言うと笠野くんは素早く移動し小橋さんの背後に回った。彼女は慌てて私を盾にしくるっと回転したので私は笠野くんの胸に飛び込んでしまった。

笠野くんが私の両肩に手を置く。見上げるとなぜかじっとこちらを見つめている。
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