島津くんしっかりしてください
「ごめんね、赤くなってる。痛かった?」



「⁉……ちょ、近っ……」






あれ、また赤くなった?






首を傾げつつ島津くんを見上げると、ぱっと手で目隠しをされる。






「えっ……」



「痛くないよ、大丈夫」






じゃあ、なんで……あぁ。






「……そっか。鞠亜さんとのデートが決まってはしゃいでただけか」



「え」



「え?」






思ったより、声のトーンが低くて、自分で驚く。






それと同時に、島津くんが目を大きく目を見開いて。






違うの? と首を傾げると、島津くんはハッと気が付いて、こくこくっと大きく頷いた。






「そ、そう、そうそう! いやー今から緊張しちゃってさ! 困っちゃうなー!」



「そっか。頑張ってね」






話は終わったといわんばかりにそう言って立ち上がろうとする。






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