島津くんしっかりしてください
「ついでに言っとくと、誠ちゃん達と同じ学校の3年だし、一輝先輩♡って呼んでくれてもいいよ~?」




「よろしくお願いします。鹿島先輩」



「手厳しいねぇ」






ケタケタと笑う鹿島先輩をバレない程度にじとりと睨み、それから気が付く。






「……え。鹿島、先輩……?」






同じ学校で、鹿島……。



先輩……?








どこかで聞いたことがある名前に、脳みそをフル回転させる。






そこでゆらゆらと女の子の姿が陽炎のように浮かび上がってきて。





いつも元気で、うるさいくらいの……私の唯一の友達。















『いい? 島津くんっていうのは、今彼氏にしたい男子ランキング第一位にも選ばれたような奴なのよ』




『何そのランキング』



『あんのよ、学校中の女子が投票したんだから。ちなみに私は鹿島先輩に投票したけど!』















……あ。


『あの』鹿島先輩か。





加奈子がファンの……。






全然気が付かなかった。



……というのも。






「……あの、先輩学校での様子とだいぶ違いませんか?」



「ん~? おん。学校では頑張って王子様キャラ頑張ってんの。こっち素だから」



「はぁ……そうなんですね」



「これは俺と誠ちゃんの秘密、ね?」






島津くんの幼馴染だからってそこまで似なくてもいいのでは?






内緒ポーズとともにぱちんとウィンクされて、内心げっと顔をしかめた。






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