島津くんしっかりしてください
7,致死毒
電車で数分。
隣町で降りて、それから数十分。
来るのは久しぶりだけど、道筋はしっかりと記憶していたようで、よかった。
着いたのは、一軒家。
クリーム色の壁に、赤い屋根。
どこかヨーロッパ風なその風貌。
……私が世界一大好きで、世界一嫌いな場所。
ポケットから鍵を取り出して、ドアの鍵穴に差し込む。
ガチャリ
何の引っ掛かりも感じず、問題なく開いた。
私は玄関のドアノブに触れ……息を吐いて、一思いに開いた。
ふわりと、香る。
柔らかな日の香り、少し埃っぽいけどそれは、記憶と一寸違わぬもので。
目元が熱を持って、震える唇を噛み締めた。
……あぁ、すごく、安心する。
何も変わってないな。
あれから二年もたつのに。
あいつは……相変わらず、あまり帰ってきてないんだろう。
……それじゃあ、あの部屋は?
ふらふらと誘われるように、2階へと向かう。
階段を登った、2階の一番奥の部屋。
ダークオークの扉に、金色の繊細なつくりのドアノブ。
ゆっくりとそれをまわすと、かちゃりと軽い音がして、開いていく。
アンティーク調の机、クイーンサイズのベッド。
飾ってある花まで造花なこともあり、あの頃から時間が止まっているかのようだ。
カーテンから差し込む光に照らされて、埃の粒が煌めく。
私はそれをしばらく呆然と見た後、ゆるゆるとしゃがみ込んだ。
隣町で降りて、それから数十分。
来るのは久しぶりだけど、道筋はしっかりと記憶していたようで、よかった。
着いたのは、一軒家。
クリーム色の壁に、赤い屋根。
どこかヨーロッパ風なその風貌。
……私が世界一大好きで、世界一嫌いな場所。
ポケットから鍵を取り出して、ドアの鍵穴に差し込む。
ガチャリ
何の引っ掛かりも感じず、問題なく開いた。
私は玄関のドアノブに触れ……息を吐いて、一思いに開いた。
ふわりと、香る。
柔らかな日の香り、少し埃っぽいけどそれは、記憶と一寸違わぬもので。
目元が熱を持って、震える唇を噛み締めた。
……あぁ、すごく、安心する。
何も変わってないな。
あれから二年もたつのに。
あいつは……相変わらず、あまり帰ってきてないんだろう。
……それじゃあ、あの部屋は?
ふらふらと誘われるように、2階へと向かう。
階段を登った、2階の一番奥の部屋。
ダークオークの扉に、金色の繊細なつくりのドアノブ。
ゆっくりとそれをまわすと、かちゃりと軽い音がして、開いていく。
アンティーク調の机、クイーンサイズのベッド。
飾ってある花まで造花なこともあり、あの頃から時間が止まっているかのようだ。
カーテンから差し込む光に照らされて、埃の粒が煌めく。
私はそれをしばらく呆然と見た後、ゆるゆるとしゃがみ込んだ。