島津くんしっかりしてください
11,初恋と失恋
「まこちゃーん! はやくっはーやーくっ!」
「琴音、そんなに急いだら転んじゃうよ。手繋ごう」
ぱたぱたと駆け出して急かす琴音に苦笑いをして、手を差し伸べる。
現在の時刻は午後5時45分。
私は琴音を連れて、夏祭りの待ち合わせ場所へと向かっていた。
琴音は洋子さんに浴衣を着つけてもらって、ご機嫌な様子。
淡いピンク色で、紫陽花の柄がとてもかわいい。
洋子さん曰く、これは島津くんのお姉さんが小さい頃に着ていたものらしい。
『もうどうせ着ないし、この浴衣も琴音ちゃんに来てもらえるなんて幸せに違いないわ~!』
なんて言っていたけど、また借りが増えちゃったかな……。
小さくため息をついたその時、前方に鹿島先輩が見えて。
周りにはもうみんな揃っている。
「ごめんなさい。遅れちゃいました?」
「いや、全然。むしろ俺たちが早かっただけだしね」
優等生スマイルで返す先輩の後ろから、後輩くんがぴょこっと顔を出した。
「うわ、その子先輩の妹さんっすか? めちゃくちゃかわいいじゃないすか!」
その大きな声に琴音はきょとんとして、それからにぱ、と顔全体で笑いかけた。
「はじめまして! まこちゃんの妹の、さねみことねですっ」
上を見上げるのが辛そうだったので抱っこをすると、琴音は嬉しそうに首元に抱き着いてくる。
その様子を見て、また一つ大きな歓声が上がった。
「まこちゃん、だってー!」
「かわいい~お姉ちゃんのこと大好きなんだねぇ」
「真見先輩がお姉ちゃんなんて羨ましいわ~」
口々に言われて、私は苦笑いを浮かべた。
「あはは、うん。妹家に置いておくの心配だったから、連れてきちゃったんだけど、大丈夫だったかな?」
「全然大丈夫だよ。びっくりしたけど」
「琴音、そんなに急いだら転んじゃうよ。手繋ごう」
ぱたぱたと駆け出して急かす琴音に苦笑いをして、手を差し伸べる。
現在の時刻は午後5時45分。
私は琴音を連れて、夏祭りの待ち合わせ場所へと向かっていた。
琴音は洋子さんに浴衣を着つけてもらって、ご機嫌な様子。
淡いピンク色で、紫陽花の柄がとてもかわいい。
洋子さん曰く、これは島津くんのお姉さんが小さい頃に着ていたものらしい。
『もうどうせ着ないし、この浴衣も琴音ちゃんに来てもらえるなんて幸せに違いないわ~!』
なんて言っていたけど、また借りが増えちゃったかな……。
小さくため息をついたその時、前方に鹿島先輩が見えて。
周りにはもうみんな揃っている。
「ごめんなさい。遅れちゃいました?」
「いや、全然。むしろ俺たちが早かっただけだしね」
優等生スマイルで返す先輩の後ろから、後輩くんがぴょこっと顔を出した。
「うわ、その子先輩の妹さんっすか? めちゃくちゃかわいいじゃないすか!」
その大きな声に琴音はきょとんとして、それからにぱ、と顔全体で笑いかけた。
「はじめまして! まこちゃんの妹の、さねみことねですっ」
上を見上げるのが辛そうだったので抱っこをすると、琴音は嬉しそうに首元に抱き着いてくる。
その様子を見て、また一つ大きな歓声が上がった。
「まこちゃん、だってー!」
「かわいい~お姉ちゃんのこと大好きなんだねぇ」
「真見先輩がお姉ちゃんなんて羨ましいわ~」
口々に言われて、私は苦笑いを浮かべた。
「あはは、うん。妹家に置いておくの心配だったから、連れてきちゃったんだけど、大丈夫だったかな?」
「全然大丈夫だよ。びっくりしたけど」