島津くんしっかりしてください
そんなことを内心思いつつ、ぬいぐるみを女の子に差し出した。
「はい、これ」
「え……真見、先輩?」
背の低い女の子は困惑したような顔で私を見上げ、押し付けられたぬいぐるみに視線を落とす。
「あげるよ、欲しかったんでしょ?」
「え、あ、はい。でも……先輩が取ったものなのに」
「大丈夫だよ。もともと景品が目当てでやったわけじゃないから」
「でも……」
「それに……ほら。くまちゃんも自分のこと好きな人に貰ってもらった方が嬉しいよ。きっと」
琴音のクマゴロウを撫でるみたく、クマの綿毛をぽふぽふと数回触った。
ね?
と笑いかけると、彼女らは何故か感激したように瞳を潤ませていて。
「先輩かっこいい……」
「へっ?」
思いがけぬ言葉に、つい目を大きく見開いた。
「かっこ……? え?」
「真見先輩イケメンすぎます! だって俺何回挑戦してもダメだったのに、先輩は一発で、なおかつそれをくれるなんて……天使様ですか⁉」
「馬鹿饗介! 女神様に決まってるでしょ!」
「いや、どっちも違うけど……」
後輩たちの勢いに、戸惑いの息を漏らす。
あと、今さらだけどこの子たちの名前なんだっけ……。
そんな声が透けて見えたのか、二人はハッとしたように顔を見合わせて。
「俺、甲斐饗介っていいます!」
「私は甲斐音羽です!」
「饗介くんと、音羽ちゃん……」
小さく呟くと、二人は目を輝かせてこくこくと小刻みに頷く。
「2人ってもしかして……」
「「双子です!」」
あぁ、やっぱり。くりくりした二重の瞳とか、童顔なところとか、似てるなって思った。
「はい、これ」
「え……真見、先輩?」
背の低い女の子は困惑したような顔で私を見上げ、押し付けられたぬいぐるみに視線を落とす。
「あげるよ、欲しかったんでしょ?」
「え、あ、はい。でも……先輩が取ったものなのに」
「大丈夫だよ。もともと景品が目当てでやったわけじゃないから」
「でも……」
「それに……ほら。くまちゃんも自分のこと好きな人に貰ってもらった方が嬉しいよ。きっと」
琴音のクマゴロウを撫でるみたく、クマの綿毛をぽふぽふと数回触った。
ね?
と笑いかけると、彼女らは何故か感激したように瞳を潤ませていて。
「先輩かっこいい……」
「へっ?」
思いがけぬ言葉に、つい目を大きく見開いた。
「かっこ……? え?」
「真見先輩イケメンすぎます! だって俺何回挑戦してもダメだったのに、先輩は一発で、なおかつそれをくれるなんて……天使様ですか⁉」
「馬鹿饗介! 女神様に決まってるでしょ!」
「いや、どっちも違うけど……」
後輩たちの勢いに、戸惑いの息を漏らす。
あと、今さらだけどこの子たちの名前なんだっけ……。
そんな声が透けて見えたのか、二人はハッとしたように顔を見合わせて。
「俺、甲斐饗介っていいます!」
「私は甲斐音羽です!」
「饗介くんと、音羽ちゃん……」
小さく呟くと、二人は目を輝かせてこくこくと小刻みに頷く。
「2人ってもしかして……」
「「双子です!」」
あぁ、やっぱり。くりくりした二重の瞳とか、童顔なところとか、似てるなって思った。