島津くんしっかりしてください
第4章

12,文化祭準備前半

夏休み明け。






学校はもうすでに文化祭準備で賑わっていた。






私のクラスはコスプレカフェをすることになっていた。






「それじゃあ、当日の役割を決めたいと思います。接客と調理のどちらかで手を挙げてください」






そう言って声をかけるけど、圧倒的な調理希望者の多さ。






9対1くらいの比率だ。






これはまずい。








「誰か接客に移ってくれる人はいませんか?」






固まったまま役に立たない島津くんの代わりに声をかけて、気が付く。






……あれ? 加奈子が調理希望?






性格的にも接客を選ぶと思ったけど。






「坂田さん、接客に移ってくれませんか?」






快く了承してくれるかと思いきや、加奈子は思いがけず渋って。






「えー。まぁ、仕方ないしいいけど~……条件あるんだよねぇ」






ニマニマとした表情に、私は嫌な予感がする。









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