島津くんしっかりしてください
いや、でも……やっぱり無理強いは……。






む、と眉間を寄せる私の肩を島津くんが軽く叩く。









「……やる」



「え?」



「俺、やってみたい」






ぼそり

固く凍り付いた表情のまま呟く。






目を見開く私の背後ではまさかの返事に色めき立つクラスメイトがいて。






後から気が付く。






そういえば、断るのを忘れていた。






でも、もうすでに手遅れで。






私は頭を抱えた。









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