島津くんしっかりしてください
……ほしくないよ。






私は島津くんの事を好きになってしまったから。






できることなら、誰のものにもならないで、ずっとそばにいてほしい。






そんな本音が心の隙間からじわりと滲みそうになって、島津くんの肩に顔を埋めた。








「……真見さん?」






不思議そうな声色に顔を上げると、澄んだ瞳と目が合って。






とくんと、心臓が疼く。






島津くんの綺麗な瞳が好き。






優しくて、少し抜けていて、かわいいところが好き。






あったかいところが、好き。






好きなところをあげたらきりがないくらい、そのくらい好き。






好きだよ、すごく。





本当に、大好き。







……でも、島津くんに幸せになってほしいこの気持ちも、どうしようもない本心なんだよ。









早く鞠亜さんと付き合って、幸せになって、……少しでも早く、島津くんの事を諦められるように。









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