島津くんしっかりしてください
「……真見さん」



「……え、」






呼ばれて顔を上げると、島津くんが目の前にいて。






屈託のない笑顔に、ひゅっと息を吸った。







「真見さんも衣装の試着してたの?」



「え、あ……うん。そうだよ。島津くん執事似合ってるね」



「えへへ、そうかな? 真見さんに褒められるの嬉しいなぁ」






素直に褒めると、照れたように頬を上気させてはにかむ島津くん。






さっきまでの凍り付いた表情じゃない、私だけの、特別な表情。






じんわりと胸のあたりに熱が流れ込んで。








ぽかぽかする。






……独占欲とか、ダサいな。






自覚して顔を逸らす。






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