島津くんしっかりしてください
これは……加奈子、気を遣ってくれたのだろうか。






そんなことする必要なかったのに。






でも、この状況を内心喜んでいる自分もいて、バレないようにいたって冷静に島津くんを振り返った。









「……じゃあ、行こうか?」



「え?……あ、うん」








2人揃って歩き始める。






向かった場所は、学校近くにある手芸屋さん。






入るなりメモを確認して、次々と目ぼしい商品をかごへと放り込んでいく。









「おぉ……! 手際いいね」



「まぁ、買い物には慣れてるからね」



「主婦だ……!」





きらきらとした視線を向けてくる島津くんに、何言ってんだと冷たい視線を向けつつレジへと向かった。






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