島津くんしっかりしてください
……今までの私なら、こんなミスは犯さなかった。






島津くんに恋をしたことで、好きという感情を抱くことで、私は確かに変化した。






……好きという感情に振り回されて自分が自分でなくなってしまうのが、怖い。






その気持ちは今も変わっていない。






そっと目を閉じて、肺に息を運ぶ。






……だけど、私は島津くんの言葉を信じている。









だから、大丈夫。



私、大丈夫。
















「……ほら、見て! 到着ー!」






目を見開くと、島津くんが満面の笑みでこちらを振り返っていて。













「……そういえば、ここどこ?」






私はなんとなく歩いているつもりだったけど、島津くんには明確な目的地があったみたいだ。







でも、着いたのはただの河原。






いや、河原が悪いというわけじゃないけど、何故に河原……?








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