島津くんしっかりしてください
困惑して眉を顰める私に、島津くんはがーんと大袈裟なリアクションを取る。









「えぇー! 忘れられてる⁉ 嘘……俺にとっての聖地なのにー!」



「いや、島津くんにとっては聖地でも私にとってはただの河原だから」






何でもかんでも言葉足らずでわかってもらえると思わないでいただいて。







「う、うぅ……夏祭りで俺……嬉しかったのに……」



「夏祭り……?」






首を傾げ……あ、と思い立つ。









「もしかして、夏祭りの時に話した場所?」



「そうだよぉ~……真見さんが話してくれたこと俺めちゃくちゃ嬉しかったのに……忘れられてたなんて……」






しょぼーんとローテーションの島津くんに困惑して、小首を傾げた。






「……いやでも、聖地は言いすぎじゃないかな」



「細かいことはいいの!」






ぷく、と頬を膨らませたあと、島津くんは軽く笑って、あの人同じように座り込む。






ぽんぽん、と隣の地面を叩かれて言われるがままに腰を下ろした。






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