島津くんしっかりしてください
……なんか、振り回されているみたいで癪だ。






なんて内心思うけど、当の本人は鼻歌まで歌っている。










「随分とご機嫌だね」



「それだけ嬉しかったからね!」



「へぇ―……」



「へぇ―……って、本当だからね⁉」








興味のない返事をしてしまったのがばれて、島津くんが慌ててこちらを見つめた。









「だって真見さん、ずっと俺にだけ厳しかったんだもん! それなのに一輝とか品川とかには笑顔なんだし、俺嫉妬してたんだよ?」




「嫉妬?」



「うん、真見さんと一番早く接し始めたのは俺なのに……!って」



「そう……」









島津くんは気が付いていないんだろうな。









嫉妬。





島津くんにとっては何気ない一言が、私をこんなにも喜ばせているってことを。











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