島津くんしっかりしてください
「もう、ですか? すぐに?」




「えぇ……すぐに……久しぶりに誠ちゃんとゆっくりできると思ったのに……研究所のメンバーから連絡が来ちゃって……こんなのって、酷いわ……っ」




「あはは……私も残念です」








ぷるぷると肩を震わせる洋子さんの肩に手を置いて、苦笑いを漏らした。










「ことねも洋子おばちゃんと一緒に帰るから。ばいばい、まこちゃん! おしごと頑張ってね!」










鞠亜さんの腕からようやく解放された琴音はにこにこと笑って、私の頭に手を伸ばす。









身をかがめると、ぽってりとした温かいてのひらが頭の上に載って、よしよし、と優しく撫でられる。








目が合うと、嬉しそうにはにかむ琴音。






え、かわ……。




かわいすぎる。






妹がかわいすぎる件について。










「……うん。お仕事頑張るから、琴音は少しだけお留守番できる? 文化祭が終わったらどこか遊びに行こうか」









やっとのことでそう返す。







琴音はぱぁあっと表情を明るくして。









「え、ほんと! 行きたーい! ことね、頑張っておるすばんしてるね!」



「……うん」










なんて健気な妹なんだ……。









お姉ちゃんなんでも買ってあげる。






頑張ってバイトのシフトを増やそう……。









最近文化祭準備で忙しかったこともあって、琴音と過ごす時間があまり取れなかった反動なのかな。






琴音のエンジェルスマイルが強化されている気がする……。





眩しい……。









琴音と洋子さんとはその場で別れて、また鞠亜さんと島津くんとの三人きり。







< 199 / 372 >

この作品をシェア

pagetop