島津くんしっかりしてください
……そろそろ本格的に二人と別行動をしないと。









島津くんの事を応援するとか言っておきながら今のところ邪魔しかしていない気が……。









このままじゃただのお荷物で終わってしまう。










それだけは避けなくては……。









だけど、肝心のどんなふうに離脱したら怪しまれないのか、が思いつかない。









どうしたものか……。









と、少し前の方におどろおどろしい雰囲気の看板が見えて。













お化け屋敷



















その文字に、ハジメ君が作った看板の方がだいぶ恐怖心を煽られるな、と呑気なことを思った。














その時、ふと思いつく。








……お化け屋敷の中……暗いだろうし、バレないように離脱できるのでは?









でも、さっきまで遊びに乗り気じゃなかった私が突然お化け屋敷に入りましょう、なんて違和感しかない。











少なくとも島津くんに思惑が気づかれてしまうだろう。











……いや、別に気づかれてもいいんだけど。










なんとなく、お膳立てをされていると気づかれるのは、気まずい。









……鞠亜さんから言い出してもらうしか、ないか。









そう思い立って、それとなく言ってみる。










「……先ほど昼食は食べましたし、次はどこかの教室に入って遊びたいですね」



「んー遊ぶ……遊ぶ……? あ!」








鞠亜さんがはっとして、目の前のおどろおどろしい看板を指差す。









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