島津くんしっかりしてください
「じゃあ、お化け屋敷入ろうよ!」







よし、計算通り。









「いいですね、行きましょう」









なんでもないようなふりをして頷くと、島津くんは少し心配そうな顔でぽつり。











「でも……鞠姉お化け屋敷苦手でしょ。大丈夫?」




「だいじょぶだいじょぶ! 問題ナッシング!」





「でも……」




「……本人が大丈夫だって言ってるんだし、いいんじゃないかな」











それよりも私は島津くんがお化け屋敷大丈夫なことが驚きだよ。







絶対だめなタイプかと思ってた。









これはお化け屋敷の中で二人取り残しても大丈夫そうだな。










私の言葉もあって、結局お化け屋敷に入ることになった。
















……のだけど。







早くも後悔している。









というのも、鞠亜さんがやばいのだ。






怖がり方が尋常ではない。






教室に入るなり暗いと言って泣きべそをかき、置物が怖いと言って半泣き。








お化けが出た時なんか、教室中どころか牢屋にまで響き渡っているであろう、マンドラゴラもびっくりな叫び声をあげていた。









これは……本当にお化け屋敷に入って大丈夫だったのだろうか。









島津くんが心配したのも無理はない。









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