島津くんしっかりしてください
……これはまずいな。






教室に入ってから半分も進んでいない。






そのうえ、途中から私までいなくなってしまうのだから、鞠亜さんはパニックになってしまうだろう。








……まぁ、そこは島津くんに任せるということで。






来た道を振り返って、こっそりと教室から出ようとした、その時。






黒い布で仕切られた壁からヌウっと黒い手のようなものが出てきて。






私の手首をつかみ、ぐっと壁の内側に引き込んだ。






な……に、が、起こったの?




きょろきょろとあたりを見渡すけど、暗くて、暗くて、何も見えない。






私は何もすることが出来なかった。









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