島津くんしっかりしてください
「陽くん……?」
「……ぁっ」
鞠姉に声をかけられて、我に返る。
俺を見つめる瞳は、はちみつを煮詰めたような金色。
首を傾げた途端に、ミルクティーベージュの髪が揺れた。
「ご、ごめん鞠姉。すぐ出よう、怖いね。ごめんねっ」
「だ、だ大丈夫だよ……」
相変わらず小刻みに震える鞠姉に背を向けて、振り返る。
「鞠姉、背中乗って。おんぶするから」
「え……おんぶ⁉」
鞠姉はぱちぱちと瞬きを繰り返し、それから頬を指でかいた。
「えーと……陽くん? この歳にもなっておんぶが恥ずかしいかなー?って」
「暗いし、誰も見てないよ」
「でも……」
「いいから」
「ぅ……わ、ぁっ」
有無を言わさず、鞠姉を背に担ぎ上げる。
ひょい、と少し勢いをつけておブルと、鞠姉は慌てて首に腕を回した。
「ちょっと待って、陽くんっ。私大丈夫だよ? さっきは無理とか言っちゃったけど、冗ー談だから、ねっ?」
「大丈夫じゃないよ、落ちちゃったら危ないから大人しくしてて」
「うぅ……」
歩き出すと鞠姉はようやく黙って、ぐぬ、と唸った。
「なーんか陽くんに主導権握られてるの癪だなー……」
「なにそれ」
拗ねたような口調の鞠姉に、くすりと笑いを漏らした。
たまには、こういうのもいいな。
いつも鞠姉に振り回されていたから。
「怖かったら目、閉じてていいよ」
「ん……」
ふーって、吐息が首筋を撫でて少しくすぐったい。
「……ぁっ」
鞠姉に声をかけられて、我に返る。
俺を見つめる瞳は、はちみつを煮詰めたような金色。
首を傾げた途端に、ミルクティーベージュの髪が揺れた。
「ご、ごめん鞠姉。すぐ出よう、怖いね。ごめんねっ」
「だ、だ大丈夫だよ……」
相変わらず小刻みに震える鞠姉に背を向けて、振り返る。
「鞠姉、背中乗って。おんぶするから」
「え……おんぶ⁉」
鞠姉はぱちぱちと瞬きを繰り返し、それから頬を指でかいた。
「えーと……陽くん? この歳にもなっておんぶが恥ずかしいかなー?って」
「暗いし、誰も見てないよ」
「でも……」
「いいから」
「ぅ……わ、ぁっ」
有無を言わさず、鞠姉を背に担ぎ上げる。
ひょい、と少し勢いをつけておブルと、鞠姉は慌てて首に腕を回した。
「ちょっと待って、陽くんっ。私大丈夫だよ? さっきは無理とか言っちゃったけど、冗ー談だから、ねっ?」
「大丈夫じゃないよ、落ちちゃったら危ないから大人しくしてて」
「うぅ……」
歩き出すと鞠姉はようやく黙って、ぐぬ、と唸った。
「なーんか陽くんに主導権握られてるの癪だなー……」
「なにそれ」
拗ねたような口調の鞠姉に、くすりと笑いを漏らした。
たまには、こういうのもいいな。
いつも鞠姉に振り回されていたから。
「怖かったら目、閉じてていいよ」
「ん……」
ふーって、吐息が首筋を撫でて少しくすぐったい。