島津くんしっかりしてください
16,交錯する→↓←↑
「……っふー」
大きく息を吐いて、どくどくと大きく脈打つ。
暴れまわる心臓を、ぐしゃりと握りしめた。
……心臓、破裂しそう。
人生で今が一番、緊張をしているかもしれない。
たかが十年ちょい生きているだけの自分でも、そう言えるくらい。
ため息をついた反動で足元を見降ろすと、それは頼りなく震えていて、ゆるゆると座り込んだ。
……情けな。
顔が熱い。
きっと今、俺の顔は朱に染まっているんだろう。
触れた指先から感じる熱に、そんなことを考える。
鞠姉を待たせるわけにはいかない。
この分厚い扉を一つ隔てたところで、鞠姉は待っている。
数歩分、勇気を振り絞れば届く距離。
それが果てしなく遠い。
大きく息を吐いて、どくどくと大きく脈打つ。
暴れまわる心臓を、ぐしゃりと握りしめた。
……心臓、破裂しそう。
人生で今が一番、緊張をしているかもしれない。
たかが十年ちょい生きているだけの自分でも、そう言えるくらい。
ため息をついた反動で足元を見降ろすと、それは頼りなく震えていて、ゆるゆると座り込んだ。
……情けな。
顔が熱い。
きっと今、俺の顔は朱に染まっているんだろう。
触れた指先から感じる熱に、そんなことを考える。
鞠姉を待たせるわけにはいかない。
この分厚い扉を一つ隔てたところで、鞠姉は待っている。
数歩分、勇気を振り絞れば届く距離。
それが果てしなく遠い。