島津くんしっかりしてください
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〈誠side〉


「鞠姉に寂しい思いなんて絶対、俺がさせないよ。……俺が、一生そばにいるから」


「陽くん、それ、プロポーズみたいだよ? 勘違いしちゃう」


「……勘違いじゃないよ」















「ずっと、好きだった」
















……私は屋上へと続く階段に座り込んで、息を押し殺していた。










……わかっていたこと、でしょ。








島津くんが鞠亜さんの事をすきなんて、初めからずっとわかっていたことで。










「……島津くんが、幸せなら」




ぽつりと、漏らす。













幸せでいてくれたら。













……島津くんが笑顔でいてくれたら。









…………その相手は、私じゃなくても、いい。






















































そんなわけ、ない。






幸せでいてくれたら、それでいい?






そんなことを本気で思っていたとしたら、そいつは大馬鹿者だ。









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