島津くんしっかりしてください
本当は、……本心は、私の手で、島津くんを『笑顔』にしたい。










島津くんが辛い思いをしている時、一番そばにいるのは私がいい。







私が……島津くんを幸せにできたらどんなに嬉しいだろうか。


















……どうして、私じゃないんだろう。









どうして、私じゃ、だめなんだろう。


















……そんなの、理由は最初からわかっていた。










私が、鞠亜さんじゃないからだ。







人間は誰しも、自分以外の誰かに成り代わることなんて、できやしない。







人間にはそれぞれ、特性があって、役割があって、同じなんかじゃないから。















ずっとずっとずっとずっとずっと










わかっていたのに。







理解できないふりをして。






理解しようとしなくて。








本当に…………馬鹿みたい。








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