島津くんしっかりしてください
……島津くんも、今から同じような苦しみを味わうのかな。








そう思うと、またきりきりと心臓が痛み出して。






腕の間に顔を埋めた。












私は島津くん









島津くんは鞠亜さん









鞠亜さんは鹿島先輩











みんなの矢印が全部、そっぽを向いて、ぐちゃぐちゃになって。






それはやがて複雑に絡み合う。












人間関係も、絡まった糸を解くように


簡単に元に戻ればいいのに。











きっと、みんなが幸せになる方法なんて、ない。







だから、私が犠牲になればいいって、全部丸く収まるって。









そんな風に考えて、悲劇のヒロインぶって。










……本当に、私、何がしたかったんだろう。


何も、残せてないのに。











< 225 / 372 >

この作品をシェア

pagetop