島津くんしっかりしてください
一歩、私に歩みを寄せて。


















そっと、覆いかぶさるように抱きすくめられる。















暖かい人肌に、目を見開いた。















「誠ちゃんには……君には、幸せになってほしいって、思ってるよ」




「……」











唇の端に、ほんのりとのせられた笑み。








伏せられたその瞳には、微かに熱が感じられて。













……どうして、なんだろう。












この人は、なんで。











こんなにも、優しいんだろう。











どうして。









どうして、私とこの人は似ているんだろう。













性格だって、容姿だって。











まったく重なる部分はないはずなのに。








答えが、正解が遠くて。











パズルのピースがあと一枚足りないような、そんなもどかしさ。
















……どうして、私は。








この人の前で自然に居られるんだろうか。














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