島津くんしっかりしてください
第5章
17,怒り
「……まこちゃんー?」
「……ぁっ」
急に顔を覗き込まれて、はっと我に返る。
至近距離で、大きな瞳がぱちぱちと瞬かれた。
そうだ。
私、琴音と遠くの大きな公園に、遊びに来ていたんだっけ。
考え事をしていてすっかりと忘れていた。
きょとんと首を傾げる琴音に申し訳なくなって、その髪を優しく撫でた。
「琴音……ごめんね、ぼーっとしてた」
「ううんっ? 大丈夫だよ~。まこちゃんしんどいの? だいじょーぶ?」
「……大丈夫だよ」
そう返して、ほっと息を吐く。
すると息はふ、と白くなって、空中に靄をかけた。
そんな現象を目にして、ぼんやりとまた考える。
……もう、冬か。
夏に島津くんと出会って、あっという間に時間が過ぎて。
本当に、楽しかった。
ふ、と動きを止める。
どろり、と。
冷たい、深い沼の底に意識が沈み込んでいくような、感覚。
「……ぁっ」
急に顔を覗き込まれて、はっと我に返る。
至近距離で、大きな瞳がぱちぱちと瞬かれた。
そうだ。
私、琴音と遠くの大きな公園に、遊びに来ていたんだっけ。
考え事をしていてすっかりと忘れていた。
きょとんと首を傾げる琴音に申し訳なくなって、その髪を優しく撫でた。
「琴音……ごめんね、ぼーっとしてた」
「ううんっ? 大丈夫だよ~。まこちゃんしんどいの? だいじょーぶ?」
「……大丈夫だよ」
そう返して、ほっと息を吐く。
すると息はふ、と白くなって、空中に靄をかけた。
そんな現象を目にして、ぼんやりとまた考える。
……もう、冬か。
夏に島津くんと出会って、あっという間に時間が過ぎて。
本当に、楽しかった。
ふ、と動きを止める。
どろり、と。
冷たい、深い沼の底に意識が沈み込んでいくような、感覚。